エコロジーを意識してプラスチックのように見えて土に埋めると微生物が分解してくれる製品をエコロジーマテリアルといって色々と出ています。
まぁ、これらのものは土に埋めることを前提にしているので最もこういった製品に適用しやすいのかもしれません。
葬送にエコロジーの視点 旅立ち 地球に優しく
「最後は地球に優しくありたい」-。故人の遺志や在りし日の思いなどに応えるべく、環境に配慮した葬送品が相次いで登場し、関心を集めている。段ボール製の棺や、釣り竿(ざお)やゴルフクラブなど生前の趣味を木製の模型で作る副葬品、燃やせる骨壺など、環境対応の葬送サービスは多様化が進んでいる。(森浩)
段ボール製棺おけ
見た目は普通の段ボールだが、組み立てればあっという間に棺おけになる。葬儀などの生前契約を受け付けているNPO法人「りすシステム」(東京)が扱う「エコクラフィン」は、段ボールでできた棺だ。無駄な部品を使用しないことから、環境に優しいことを売りにしている。
材料となる木材の使用量は、従来の合板棺おけの3分の2。クギやチョウツガイのほか接着剤も不使用で、燃やしても廃棄物がでないほか、二酸化炭素の排出量も抑えられる。「通常の棺では数十本のクギが使われている。年間で約100万人が亡くなることを考えると、燃やされるクギは数千万本に達します」と、りすシステム理事の河野耕一さんは解説する。5分ほどで組み立てることができるうえ、三層構造になっているため強度も十分という。
価格は5万2500円(税込み)で、今年1月の発表以来、問い合わせが相次いでいる。代表理事の松島如戒(にょかい)さんは「立つ鳥跡を濁さずではないが、最後は環境に優しくという意識があってもいいのではないか」と段ボール製棺おけの意義を強調する。
燃やせる副葬品
各火葬場で最近、その動きを強化しているのが副葬品の制限。プラスチック製品を燃やすことによる有害なダイオキシン類発生への配慮のほか、書物や造花、果物などは燃えにくく火葬時間の延長につながることがその理由だ。「棺の中には少量の生花や手紙以外は何も入れないでください」と断りを入れる火葬場も登場している。
そんななか、“環境に優しい副葬品”を展開しているのが仏具製造を手がけるサンメニー(石川)。「いくら好きでもゴルフボールやグラスファイバー製の釣り竿を棺おけに入れるわけにはいかないので、考えました」と説明する。
パターやドライバーなどのゴルフクラブや釣り竿、ビール瓶、日本酒の一升瓶など故人の生前の趣味や嗜好(しこう)に合わせた模型を展開中だ。すべて間伐材でできていて、価格は1万円前後。副葬品の規制もあって、人気を集め、「もっといろんなアイテムをという要望を受け、今後はパソコンや眼鏡の模型を発売する予定です」と同社では今後の意気込みを語る。
葬送品などを手がける島田海苔店(福島)でも木製のスキーセット(1万8000円、税別)などを販売中で、「市内よりも関東や関西からの問い合わせが多い」と、手応えを感じている。
土にかえる骨壺
環境に配慮した骨壺も登場している。エコロジー製品を手がける「朋央(ほうおう)」(群馬)では可燃ゴミとして処理できる骨壺を発売する。
トウモロコシや米に由来するでんぷん質でできていて、地中に埋めてもじわじわと微生物が分解してくれる。「陶器の骨壺が納骨後に捨てられている現状を見聞きして、開発を進めた」と同社。現在は量産態勢を整え、今後販売を強化したい考えだ。
また、京都市の西寿寺では一昨年から、「庭園墓地」を展開する。境内の庭園の好きな場所に遺骨を埋めるという墓地だが、埋葬には茶葉製の容器を使い、遺骨も容器も数年のうちに土にかえる仕組みとなっている。
火葬場の廃棄物、不適切な処理も
国内では火葬場から出る廃棄物に関する規制がない。「自治体によっては処理業者に任せっぱなしのところもあり、(処理の)末端まで目が届いていないのが現状」と指摘するのは、葬祭事情に詳しい第一生命経済研究所研究員の小谷みどりさん。中には火葬場から出た廃棄物を山林に捨ててしまうような業者もいるという。
「こうした現状もあって、最後まで、もしくは最後ぐらい地球に優しくと考え、環境に配慮した製品が登場することは良いことではないか」と小谷さんは語っている。
(2007/04/20 産経新聞)
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